私が所属しているのは、トヨタ車向けエンジン部品の開発を行っている部署。現在私は、主に「ポンプリフタ」や「バルブリフタ」と呼ばれる部品の開発を担当しています。お客様からの要望に基づき、部品を改良していくだけでなく、時には自ら現在の部品の改善点を検討し、お客様に提案することも。例えば、これまでのトヨタ車のバルブリフタには一部車種にDLC(Diamond-Like Carbon)コーティングと呼ばれる被膜処理をするものがありましたが、当社では「この処理を施さなくても車両性能に差が出ないのでは?」と考えていました。私はこの件についての検証と、お客様への提案を担当することに。億単位の原価低減につながるということもあり、各所からとても注目されていたのですが、さまざまな観点から慎重に検証試験を重ねて提案した結果、対応車両におけるバルブリフタで、DLC処理を廃止することが決定。ものづくりには「いつもなぜそうなるのか疑う」ことが重要だとよく言われます。「なぜバルブリフタにはDLCコーティングが必要なのか」について疑い、追求できた経験のように、これからもこの姿勢を大切に、新たな製品を生み出していきたいです。
現地現物を大切に、常に実際に製造する現場のことを考えるように。